日記らしいもの

午前7時起床。コーヒーだけ飲んで出かける。思いっきり眠いし、吐き気はする。お腹はゆるい。だらだらと家を出る。
9時20分天神駅。ウンコガマン感ちょっとひく(まるチャンじゃないのでその後さらに大きい波がやってくることは承知の上だ)
ドトールでウンコ。一回ノックされる。
9時40分。シネテリエ天神でウンコ、やはり一回ノックを受ける。
まだ、残糞感があるままで前から2番目真ん中の席に。意地でもトイレには行かんと心に誓う。永遠のモータウン

141分も席に座ったままで学級会のお話し合いがだらだら続く中、好きでもないエセR&Bをボーっと待ってたり、ケンのソウルレスな歌が流れる中、頭からっぽでコンジョーなしの「ジコチュー」に感動できるような体質に生まれなかったことに幸せを感じる。

しかし、この映画はみんなは見ないほうがいい。もちろん、上記の2作で感動できる脳みそにはこの悲しさや嬉しさは許容できまい。ざまっ。
また、今の日本で流れる曲を一発で「なーんだこれが元やん」と分ってしまってボケッと音楽を消費することができなくなるんで、その覚悟がない人は観てはいけない。まあ、そんな人が増えると著作権協会とかエイベックスは非常に困るのでこの国のためにはならん。

カップルがちゃんと映画の話をしながら出て行ってる。
「良かったねえ。ミッシェル出てたと知っとったと?」
「しっとったよ。あとね…」
おそらく彼らの会話はしばらくこの映画のことが続くだろう。こうじゃなくっちゃ。映画館を出るとすぐに映画のことなどなかったことになるような光景が多く見られる中、こういう二人を見つけるとそれだけで嬉しくなる。そのような人たちとあのような感動を共有できたことに感謝する。

リーブル天神で次の映画の原作の文庫版モーターサイクル・ダイアリーズ (角川文庫)を購入。最後の一冊。観たやつがココに流れてきて買ってくんだろうな。売れてんだあ。それもよろしきこと。

飯を食う。後悔…眠たくなる。薬はパス。

ちょっと早いと思うがKBC北天神へ。1時間ここで文庫本読みながら待つことに。けっこう人がぱらぱら入ってくる。くそ、「ゲリラ戦争」でも持ってくればよかった、と一瞬思ったがそんな目立ち方とか自己主張は止めようとこの前誓ったはず。おとなしく文庫を読む。うーん。これってこんなに読みやすい(一般的に僕にはもどかしい部分もある)本だったかなあ。改めて現代企画室版(例によってどっかいッた)を安く見つけようと思う。しかし、ホント老若男女という言葉がぴったりのお客さんたち*1に意外な気も。そうか、ご年配のご夫婦同年代なんだ。ちょっと感動。
マロ茶を自販機で買って装備完了。

ハナのギターインストに少しばかり不安。ロビーの抑制の効いたモノクロに、デップの鬱な顔が頭をよぎる。
すぐに思い切り杞憂だったと確信。
いくらでも高尚な(でもカスな)文学的な作品にも、もったいぶった政治的な商品にできた*2ところをうまく監督が「映画」にしているのがなによりだ。『キネ殉』や既成サヨクなんかを喜ばせるより、一人でも多くの若者に観てもらおうという製作者の意図を絶対支持する。*3
「ザ・ゲリラスター」になる前の彼をみずみずしく描くことに大成功していて、ガエルの「世界の恋人」な顔が、どんどん「問題」を噛締めながら、僕らが大好きな「あの顔」になって行くのを丁寧にしかも軽く撮った*4サレスに大感謝。
あの「アクロス・ザ・リバー」にすすり泣く声が所々から聞こえてくる。僕も涙をぬぐう気になれない。
レッドフォードには賛同と疑念のゲージがあって、いつも僕の心で針がどちらかへ振れているが、今日は思いっきり賛同へ振り切れる。*5

だから、TVの広告の多さに心から拍手を送りたい。一人でも多くの人に観てもらいたい。そして、エルネスト・ゲバラ・デ・ラ・セルナという素敵な人がいたことを覚えてほしい。偏狭な人間のゲバラ観など粉々になってしまえばいいのだ。

僕はこんな「体験」がしたくて映画館に足を運んでいるんだということを改めて深く感じ入る。いっぺんに2本もこんな「体験」出来たことをひたすら嬉しく思う。

まさかと思いながら博多駅のぶっくおふへ。
当然『南米旅行記』などあるはずもない(いや旅行記のコーナーに朝日選書『シルクロードの旅』なんかあってさ)のだが、そこで『時計じかけの摩天楼』*6のフィルムブックなどを買ってしまう。ホント何やってんだ、俺。

電車の中で『ダイアリー』の続き、隣で若い博多弁の女性組。片方の携帯が鳴る。標準語で丁寧に電車内だということを伝えて切る。すぐさま博多弁の会話に戻る。見事なバイリンガルに驚く。

*1:流石に『下妻』の時の画面を写メールしてたようなガルはいなかったが

*2:映画として偉そうにはなれるが、間口を狭めるのと同時にげせっわになりかねん。

*3:「脱神話」などといってるくせに新たに自分たちの陣地で神話化しようとするあいつらが嫌いだ「ゲバラを脱神話化する」こんな本読むくらいならこの映画を見たほうがいいに決まってる。

*4:そう「脱神話」とかほざいてる思考動脈硬化な人にはこれが出来ない

*5:いや、だから『浅田清掃社』はって。レッドフォードには何の責任も無いけど

*6:しまった。哀ちゃん出てねーよ