女性作家のデビュー作・映画化作品2こ
この子の七つのお祝いに
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もうね、横溝正史賞というより角川映画賞って感じ。
因習深い山奥出身の女占い師の周辺でおこる連続殺人、フラッシュバックする母の子守唄という部分がいかにも横溝であるし、それにまつわる正解の闇を追うルポライターがっていう社会派サスペンスは森村誠一だか高木彬光だかを彷彿させる(かもしれない)。さらに強面のベテラン刑事が
血液型性格判断はわりにあたることもある。(略)征服欲が強いといわれるAB型の男と浮気したというのも、渋沢刑事にはわかるような気がした
なんて、まるで赤川次郎原作・渡辺典子主演の女子大生即席探偵みたいなことを思ったりすんのだ。しかしながら伊達邦彦が登場して全部をすっ飛ばしてくれるような爽快感は残念ながらない。
で、なにより
私を衝き動かしてたものがなんだったのか、いまだにわからない。
だが、あの日以来、長い間胸の奥にわだかまっていたしこりが取り除かれた心の軽さと、逆に、病巣を抉り出した後の傷の痛みを噛みしめている。
ある女の人生を汲み取っていただけるのなら、それでいい
ってな「作者のことば」がいかにも角川映画B面(夏・冬休みのひろ子・知世映画の裏で5月・10月に公開される)っぽい気がする。
ダイアモンドは傷つかない。
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同年代のボーイフレンドとの会話や
まっ先にダッシュに会ってしまった。それが弓子が見た最初の「おとな」の世界だった。見てしまった限りは弓子も大人になるしかなかった
なんて文に当時の若者風俗を描いた風俗小説でもあるんだろうね、と思う。風俗小説って何?訊かれてもヨコジュンの『SF辞典』に
(SF作家の作品で直木賞を)受賞したのはのは49年下半期の半村良の『雨やどり』だけ。ただし、皮肉なことにこの作品はSFではなく、風俗小説
書いてあった以上の知識はないんで困るんだけど。
それはそうと、この小説お勉強は人並み以上に出来た、けど一浪したヒロインがろくでもない男にひっかかった様が描かれてるんだけど、舞台が部屋と予備校周辺なほんとミニマルな世界だけなんで読んでて正直飽きる。映画は山崎とトムの存在感と藤田敏八の時代の澱を掬おうとするような演出と、何より田中美佐子(控えめなオッパイ含む)の魅力に満ち溢れているのだが、原作においてはちっともヒロインが魅力的ではない。映画評ではよく「世間知らずの女がダメ男に引っかかって」なんて書かれることもあるけど、小説では「世間知らず」なとこもお勉強以外の「ダメ」ぶりなとこもお互い様もどっちなんでさ。
てこって途中で飽きちゃってamazon:三石由起子とやってみたら、いまだにこの人そうなんね(お勉強の世界から一歩も踏み出てない)、でたった。