これもフィデルのせい?キョーサン趣味、ムセーフ趣味

先週の半ばなんでか急にダニエル・ゲラン『現代のアナキズム (三一新書 579)』を読みたくなって、本棚から引っ張り出した。
けど、「現代」(といっても1965年にか書かれた文章だけど)の前に通史ではないかと勝田吉太郎アナーキスト―ロシア革命の先駆 (1966年) (グリーンベルト・シリーズ)』を読み出したのんだけど、もっと初心者向けな本をと、『アナキズム (FOR BEGINNERSシリーズ イラスト版オリジナル 39)』や『アナーキズム―名著でたどる日本思想入門 (ちくま新書)』を引っ張り出したらワケわかんなくなって*1、日本のアナーキズムの解説が読みたいなぁと思って

をネットで探した。で、いくつか見つかる。
もっと安いとこあるかもと一旦思いとどまって次の日また検索してたら、なぜだか急にって今い幾らくらいなんだろうという思いが起こって調べたら、手ごろな値段で見つかる。だけど、今買っても読まないよなぁと思ってそのままにしてたら、某所でその古書店のことが話題になってたんで、これは何かの縁と感じて注文する。


そんでもって次の日郵便受けを覗いたら、http://www.walkerplus.com/tokyo/movie/からプレゼントが届いてた。え、なんか応募してたっけ、それにしても薄いなぁと開けたら『http://www.fidel.jp/index2.html』のエコバッグが入っていた。うわーなんと遠まわしの"虫の知らせ"だとビックリする。『現代のアナキズム』はゲバラの『ゲリラ戦争 (1967年) (三一新書)』の隣に並んでたんである。
で、迷うことなしに持ってるゲバラ関連の本をつめてみる(写真)。案外ぴったりなんで、ああもうこれでゲバラの本は買わなくていいよと納得する。
で、妙な勢いで『アナーキズム』を注文する。

女性の作るカレーはうまい、だとぁ。

で、『世界革命戦争の飛翔』が届く。パラパラめくると「納品書」が挟まれていて、この本を最初に買った人の名前と場所がわかる*2。あと「らしい」紙切れに"パセティック 哀しい"というメモ。
で、たぶん重要と思った頁の墨に認印が押してあったんだけど、線が引いてあるのはほんの最初だけなんでそこまで読まなかったんだなぁと思う。
実はこの本は一度学生時代に読んでいて(学園祭の古本市用在庫の中にあって、ちょうど頭脳警察再結成の時期だったもんだから)、その時なんだかなぁと思う箇所があったんだけど、今回のハンコは章(?女性解放闘争と革命運動)にも押してあった。で、その箇所ってのが

ゲバラは『ゲバラ戦争』の中で、「女性が作ったカレーライスはうまい…」とかなんとか例をあげていってるでしょ。女性がおるということでいい面は確かにある訳ですけど、そのへんで女性の評価をしているからだめだと

なんだけど。この人女性の役割を非常に矮小化してて、その直前に

体質的にというか、考え方としてというか、男尊女卑が一番激しいといえばそうなんですけどね。なおかつ女性に早くがんばってもらって、いろんな任務についてほしい。ところが、まかした段階でいつも危惧の念が出てくる

なんてぬけぬけと言ってるわけ。
で、そのゲバラの『ゲリラ戦争』のそういう部分を抜きだすと

ゲリラ生活の極度にきびしい条件化にある兵士たちにとって、よく調理された美味な食事を楽しみにして待つのは喜ばしいことだ。(戦闘の大きな苦痛は冷えた、ねばっこいまずい食事を食わされることである)。女性が調理すれば食事は断然よくなるし、かの女たちはこうした家事を喜んでやってくれる。ゲリラ部隊の一つの問題は、これら一般の市民的な仕事のすべてを隊員たちがバカにして、いつもそこから手を引こうとつとめ、戦闘任務の方に向かおうとするとしたがるとこである
(「第3章ゲリラ戦線の組織 三 女性の役割」P119)

となっていて、ホントちゃんと読んでから引用しろよと言いたくなるもの。まさにこんなやつが批判されてる訳で、ゲバラはこうも言っていて

女性はもっとも困難な任務を遂行できるし、男性と肩をならべて戦闘に加わることもできる。そして普通考えられるのとは反対に、軍隊に性的混乱をもちこむものではない。

ほんとやれやれである。

で、なんで"ぜんぶ"なんだろう

アナーキズム』が届く。松田道雄さんによる解説をぱらっと読む。
で、『ぜんぶ、フィデルのせい』というタイトルを初めて聞いたときの疑問が蘇る。
この文章に出てくるシャルル・フーリエ、サン=シモン、プルードンはフランス人(キョーサン主義者じゃないんだけど)だし、パリ・コミューンやなんやかんやはフランスの出来事だし、ついでに神田カルチェラタン闘争とかなんとか・・・
ま、映画見ろってことかな。
http://www.yu-raku.co.jp/cineterrie/

*1:これらがワケわかんない本という意味ではない

*2:71年の本なんでいくつかの店・人を挟んで僕のところに着いたんだろう。あと移動距離は相当なもんだ