もいちどウワサを追いこせ！

自己推薦入試で受験者に求められる能力は，受験者が実社会での活動を通して、いかに見識を広げて、思索を深めているか、高校生でありながら、経験を通して普通の高校生とは違う独特の感受性を身につけているかどうか、ということなわけでしょ。社会での活動が何であれ、それを通して内面的に得ているものがなければどんなに活躍している人間でも意味がないわけで、とすれば自分が世の中においてどのような立場なのか、それすら認識できてない××がその基準に達していないのは一目瞭然だ。
(××の伏字は引用者による)

さて、アミ吉田さんの心強きパンク・カウンター宣言

私のパンク精神が反骨精神が炸裂中です。「イタさ」が「強さ」になる瞬間を幾度も見たいものです。再生ですよ。強度をましますよ！
いい子ちゃんわるい子ちゃん - 吉田アミの日日ノ日キ

で、一瞬「STUDIO VOICE　94年4月号　パンク再生　Ｒｅｂｉｒｔｈ　ｏｆ　Ｐｕｎｋ　もう一度退屈を燃やせ」を思い浮かべたが

一生カウンターカルチャー宣言。１９８９年頃の『宝島』読んでて思い出したわ。

を読めば、ここはやはり1989年ＪＩＣＣから出版された書籍の中　で最も重要である*1『ウワサを追いこせ！未確認アイドル流言報告(チクリ)』を紹介しないといけないだろう。もしくはこれ。
この本は、(例によって)『サブカル世界遺産』の町山智浩インタビューによれば

彼が高校の成績でビリとりましたって手紙を書いてきたら、渡辺祐さんがこいつ面白いから呼べって言って、で、いきなりセックス特集の取材をやらせていましたよ

といった経緯で業界入りした石丸元章が、『投稿写真』の連載「５Ｗ１Ｈ］を中心に『ポップティーン』『ａｎ』『GORO』、フジテレビの「パラダイスＧｏGO！』などに投稿されてきたウワサを構成したものである。
無責任なウワサの垂れ流しに眉を顰めるムキもあったが、山本モナも"ウワサを信じちゃいけないよ"と歌っているように、いちいち真に受けて怒る方がどうにかしてるわけで、彼がおこした「人面犬ブーム」がなければ、『トイレの花子さん』も『学校の怪談』もなく、その後のJガールホラーの隆盛もなかったかもしれない。

呪怨 [DVD]

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ちなみに『口裂け女』は７８年発生の噂なので、あの映画の責任は石丸にはない。悪いのは叶井俊太郎、白石晃士、横田直幸、サトエリである。断じて水野美紀ではない。川合千春も坂上香織も悪くない・・・と思う。

さてさて、ではその気になる本の中身はというと、そんなこんなでカキ集めたウワサを月ごとにランキングしてベスト１０を発表。それについて石丸が寸評するって形。
でもって初っ端１９８７年１月の栄えある一位は「クリネックスティシューのＣＭに呪いの疑惑？関係者に怒る不幸の数々」
うあっ。便利な世の中になったもんだ。件のＣＭがすぐ見れるなんて。

それにしても

"ドラえもん""岡田有希子"とこの後続く子供のウワサの先駆けとして注目したい。東京新聞でも取りあげられ、初めて社会的に認知された子供のウワサでもある。

との注釈がシブいなぁ。まあ、ウワサの核心だった歌が「ドイツ語で「死ね、死ね、みんな一人ずつ呪い殺してやる」という意味の呪いの歌だった」なんてのも、今だったら

It’s a fine day
People open windows
They leave their houses　
Just want a short walk
It’s a fine day
People open windows
They leave their houses
Just want a short walk
It’s a fine day
People open windows
They leave their houses
Just want a short walk
http://www.anysonglyrics.com/lyrics/m/missjane/its.htm

であっさり確認できておわりなんだけどね。
てこってその後の１位のウワサを並べてみると

• 「のび太に実在のモデルがいた!?ドラえもんのウワサにもうひとつの真実!!」
• 「米国に結婚しに行った渡辺桂子、ダーリンがエイズで近々帰国再デビュー」*2
• 「『元気が出るテレビ』で評判だった横浜商科大学の学長氏死亡。」
• 「『夕ニャン』生放送中に永田ルリ子襲われる!!怒号の中、犯人は高校生か!?」
• 「売上税デモにヨッチャンが参加続報。ジーパンに白いジャケットがダサかった。」
• 「"おニャン子悪口新聞"発行人・斉藤由貴男より自筆挑戦状来たる。」
• 「斉藤由貴男に東京大学法学部４年との偏差値疑惑!!由貴男は大蔵省に入るのか？」
• 「国生さゆりの弟、姉が毎日新聞に糾弾されてもケナゲに徳山市のロッテリアでバイト中」
• 「山岸典子、名前を変えて、"ミスハスラー"の栄冠。」
• 「到着!!出演者が語る今なき『夕ニャン』秘話。国生に思わず春が来たのはなぜ？」
• 「斉藤由貴のそっくりさんは島田奈美と中学時代の同級生。」
• 「河合その子＆岡本健一双子説」
• 「ハロー!!ディスイズ生稲の兄。晃子ちゃんの兄は学習塾で英語教師!?
• 「話題騒然!!満里奈の留守番電話に報告続々!!埼玉県立商業高校はガセだった？」
• 「さらば斉藤由貴男！本人より終結宣言来たる。悪口新聞の真相はこれだ!!」
• 「幸田シャーミンにまたまた新説!!顔面は塩化ビニールで本当は英語がしゃべれない!?」
• 「畠田理恵にご利益あり、と仏教界の定説？」
• 「おめでとう高井・秋元御両家結婚！に水サスウワサを斬る。」
• 「工藤静香が伝言ダイアルに出現！イッチなことを口走っているのか？」
• 「新田恵利、プレリュード欲しくてもホンダがくれず、悔しまぎれにトヨタ車買う。」
• 「ゆゆしき少年犯罪!!テレビ、ラジオ局に勝手に入る奴登場。」
• 「発見!!幻のスーザン久美子、ＪＲ東海の職員としてカタギの生活」
• 「伝言ダイアル情報。美穂、静香、唯、満里奈他スター総出演！」
• 「元アイドル森田あゆみ、代々木高校生徒会長として文化祭しきる。」
• 「斉藤由貴男が復活!?『ポップティーン』で問題再燃！！」
• 「斉藤由貴男はやっぱり動いてなかった！本人より怒りの手紙来タル。」

ふう。それにしても斉藤由貴男ってホント人気者。

ちなみに冒頭の文はこの本が出た１０年後に「投稿写真」での連載"おーし！いってみよう"で石丸元章が書いたもので、××には広末が入る。
それにしても広末ったらこの後あっさり大学辞めちゃうし

芸能グルメストーカー

に漏れるし、要リハビリ。

※どうでもいいけど表紙イラストのスージー甘金ってそろそろ中学校の英語の教科書の挿絵なんて仕事もやってるころだろ(笑)

※※その「投稿写真」には"目指せ！第２の浜崎あゆみ？ガンバレ熊切あさ美"って記事があって、この人の前の芸名が載ってるんだけど、なんと浅田真子だとさ。

*1:かどうかは知らんが

*2:ちなみに２位は「キララとウララの解散」。これはウワサではなく、FCから通知を掲載。