少年地獄


『アロッタファジャイナ第8回公演「1999.9年の夏休み」』
金子修介の雑記 "Essay":1999.9年の夏休み - livedoor Blog(ブログ)

そりゃ、君、あの映画は萩尾望都さんの名作漫画『トーマの心臓』を萩尾さんのご好意で翻案化したもんだからクレジットに名前こそ無いが、その舞台化となると萩尾さんに御許可願うのが筋だが、失礼ながらこの規模の芝居で萩尾さんを煩わせたく無いよ、と答える。

トーマの心臓 (小学館文庫)
「筋」といえば、そして、更なる元ネタの

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のジャン・ドラノワ監督も煩わせてはいけませんよね。
ここで『悲しみの天使』にひきづられて「夜想・天使」の

少女をモデルに画家は少年を描いた。美の理想状態、ヒト=天使として

とか

アンドロギュノスとは二つの性を備えた存在ではなく、両性を去勢された存在であって、男でも女でもありません。アンドロギュノスという統一体が二つの性の融合を意味しているのはばかげています。

なんてのを引用して、何か言いたい誘惑には負けてはいけません。なぜなら『悲しみの天使』の原題は“Les Amitiés particulières”でどこにも天使なんて言葉はありません。ちなみにその意味は「special friendship=特別なお友達関係」だそうです。

で、邦題のおそらく「〜の天使」ってのは

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の何匹目かのどぜうだろうと思います。
そんなこんなで、せっかく「夜想・少年」「夜想・少女」も引っ張り出そうかと思いましたが、止めました。
それよりも、今回も"オスカープロダクション*1の抱える国民的美少女たち"=アイドルが舞台に立つと言うことで
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金子修介監督のインタビューを見てみましょう。その中で監督は次のように語ってらっしゃいます。

萩尾(望都)さんの好意でストーリーの骨子を貸していただいた映画なんですが、少女漫画の少年たちは少女に見える、ということから発想したんです

あらら、さっきの『天使』からの引用のちょうど逆の発想なんですが、まあ偶然ですね。でもって、これに続く言葉が非常に重要です。

10何年たってから思うと、倒錯性もあるし、芸術性も商業性もある。いろんなものがゴチャゴチャになってるんです。本当のテーマは「少年期の地獄」を描きたいと、そういう様々要素を持った映画だなぁ、と自分では思いますね

まあ、倒錯性に関していや、我が国では歌舞伎や宝塚がエラソーにしてますんで、このくらいの倒錯はこんな盗作に比べればって漢字変換ミスみたいですんで気にしないでください。
でもって「舞台」ということで、ここでその『アイドル映画〜』で「少女映画の双璧」と『1999年の夏休み』と共に讃えられた

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を思い出します。そういえば、古川りかが一昨日の『十津川警部シリーズ38 愛と悲しみの墓標 十津川VS美人弁護士の推理対決!会津若松に散る女の涙…巨額遺産狙う悲しき愛人たち」に出てたよなぁ・・・全く関係ないけど。
さてさて、当然ここで目を引く言葉は「少年時の地獄」です。
ふと
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を持ち出したい気もしないでもないですが、学校と湖畔、死という共通点はあるものの、重ならない部分の方が大きいので止めときます。
で、結局何が言いたいかというとモーマスは見にいくんだろうか、ってこと・・・じゃないけど、どうもこれ以上書いてもボロボロにさえなりそうにないから、もう、いいや。

出演者

須藤温子 (第7回全日本国民的美少女コンテスト・グランプリ)
橋本愛実 (第7回同上・演技部門賞)
※この回の審査員特別賞は上戸彩。落選者に『フラガール』の山崎静代がいる。
阪田瑞穂 (第8回同上・グランプリ)
※この回の同時グランプリが渋谷飛鳥(『デ』)。
本田有花 (第9回同上・音楽部門賞)
オスカー以外では
安川結花(WISEMEN所属)
http://wisemen.jugem.jp/?eid=40