おベンキョの先生しときゃいいのに

右翼と左翼 (幻冬舎新書)

右翼と左翼 (幻冬舎新書)

いやー自分が関わってない現在以外はさすがの浅羽通明なのだが、もう小林よしのりが絡んでくると無惨。
自虐史観」を「実証的には疑問も多い」なんて批判しておいてるくせに『
トンデモ本の世界R

トンデモ本の世界R

』で山本会長が参考にしたhttp://homepage1.nifty.com/SENSHI/uso-hon.htm:title「戦史研究所・間違った歴史の本で木っ端微塵にされている『戦争論』を褒めてんだからね。で、内容を褒めるのには苦しいと思ったのか

『9条どうでしょう 戦争論
『いまどきの「常識」』 国家の品格
憲法9条世界遺産に』 『国民の歴史』

とタイトルを並べて、左の方は「衒ったりおどけたり逆説を気取ったり」と貶め、右の方を「何とも正面きってまっすぐである」と褒めてるってギャグとしてはあんまり良質じゃないよね。
で、ウヨク的な若者をイラク戦争の際に「徴兵制復活」を主張しなかったというのなら、小林でも浅羽でもいいから自分たちがそういう心情に導いた子供たちをきっちり組織化すればよかったわけでね。
右翼・左翼概念の誕生と変遷に関する入門書としては本当に有益だと思われるから重ね重ね惜しい。
でもって、その現在編では他にも小林や西部なんかを賛辞するのに忙しくて、『

アナーキズム―名著でたどる日本思想入門 (ちくま新書)

アナーキズム―名著でたどる日本思想入門 (ちくま新書)

』ではピックアップしてあった笠井潔のアナルコ・キャピタリズム猫猫先生(id:jun-jun1965)などが提唱している「天皇制を廃止し、憲法を改正する真の近代化」もまるっとシカトなんてバランスの悪さを露呈。
結局右派の青少年にちょっとした知恵をつけたっただけなのかな。