SFの扱われ方


ニコン出版(ユニコーンではない)のユニコンブックスの6番目、ウルトラマンで言えばレオ、仮面ライダーで言えばアマゾンの本。
まあ、豪快な間違いがてんこ盛りで、読んでてぞくぞくするとともに、こんなん読んで疑問に思わなかった自分の頭の悪さを痛感する。
というのもOTAKING岡田斗司夫は、子供の時既にこの本の「Q.地球の自転が止まったら」「A.暴風と宇宙まで届く大津波になる」なる部分に、そんなんわけあるかい!と突っ込んでいるのだ。やっぱり偉人は違うね。
で、例をいくつか。まず、太陽系の惑星について

…三番目は金星。西洋ではビーナスとよばれている。四番目は土星。サターン(悪魔)とよばれている。

もう定番ですね、これは。で、UFOの項では

見た人の証言によると、お皿を二枚重ねあわせたようなかっこうだというの、空飛ぶ円盤という名が付けられたが、今は未確認飛行物体(UFO)と呼んでいる。

前半部のソースがなんだかは知らないけど、二枚あわせたかっこうでどういう形なんだ?「空飛ぶ円盤」と「UFO」をごっちゃにしちゃいかんよね。
後は、「どんな高温に耐えられる宇宙船が故障して、太陽にぶつかりそうになった時どうするか?」で「太陽には芯がないから突き抜けろ」とか、できるかい(笑)。
まあ、こんなんは今だからそう思えるものだ。
たーだ、子供心に変だなと思ってたのが、「太郎君が光速のロケットの中で走ったら光より速くなれるか」の答。

オリンピックの選手でも百メートル10秒くらいだ。太郎君が一秒走る間に、ロケットは30万キロも走っている。
つまり、どうしても光より速い男にはなれないのだ。太郎君、残念だね。

イチローだったらできるのか?ってな愚問はおいといて、これ答というか解説になってないだろう。
こんな風に子供たちに間違った知識を植えつけようとしたのは加納一郎。巻末の紹介によると、江戸川乱歩のすすめで推理小説・SF小説を書き始めたとか…で、その加納先生の主なSFの作品ってのが載ってるんだけども。
「無性集団」「透明人間」「怪盗ラレロ」「夕焼けの少年」「」「とび出せ!ピンキリ」
題名見ただけではとてもSFとは思えんのだが。ああ、こんないい加減な本出してる出版社はつぶれてしまえ!・・・って、まだあるのかユニコン出版。
※ネットで調べたところ、一応みんなSFジュブナイルということらしい。
http://www005.upp.so-net.ne.jp/a_matsu/rarero.HTM
http://www.infosakyu.ne.jp/~csi/
ただ、単に「宇宙から」とか「未来から」とかやって来てる"だけ"という感は否めない。
※ちなみに「怪盗ラレロ」の主題歌は着メロにもなっていて、宇宙からの来た怪盗のくせに、メロディは股旅もん。是非氷川きよしに歌わせてみたい。
http://keitai.excite.co.jp/melo/detail/music/?mid=20148