「吉良供養」とセットで

で、杉浦日向子「吉良供養」とともに僕のアンチ「忠臣蔵」を強固にしたものがある。

冗談新選組

冗談新選組

三谷幸喜が『新選組!』の原点と語っている表題作ではなくて、「仁義なき忠臣蔵」に注目。映画やTV、舞台で赤穂浪士が喋る言葉に疑問に感じたみなもと太郎が、浪士の出身地の播州弁ー日本一ドスのきいた方言を使うことで、その心情に迫った快作。
漫画も当然面白いのだが、播州出身の有名人の例として"荒ぶる獅子"こと四代目山口組竹中正久組長をピックアップしたエッセイが抜群に面白い。

忠臣蔵」ともてはやされている元禄赤穂事件も、一皮むけばヤクザ社会の論理、テロリストの論理にすぎないのではないか?というのが、僕の一貫した主張でありました。

で、注意すべきはみなもとは決してテロを否定する(だけ)ものとして捕らえてないことである。この辺が日向子が「惨劇」と表現し唾棄したのはちょっと違うかも。
WOWOWも『仁義なき』特集組むらしいから、この機会にも是非手にとってほしい本である。