no-hitter

NBAファイナルは今年度初めての接戦でサン・アントニオが勝ったのであるが、その放送中に現地の実況は3-pointerとかbase line jumperてな言葉を使っていた。それぞれ3ポイントショット(シュート)、エンドラインからのジャンプ・ショットのことである。
同様にno-hitterはno hit gameのことである。
そのことは松井が渡米の際にナベツネに贈られた

こんなに違う日米野球用語小事典

こんなに違う日米野球用語小事典

にも書いてある。あの直後アマゾンでは売り切れ状態であったんだが、マスコミ関係者のほとんどが買ってないのか、買っていても読んでないのか、読んでいても忘れちゃったのか、それともメンドクサイから改めたくないのか、ノー・ヒッターはノー・ヒット・ノー・ラン*1を達成した投手のことになったままだ。
僕がこの言葉を知ったのは、多分テリー・ブロスのヒーロー・インタビューで通訳の人が使ったときだと思う。どんな動詞を使ったかはわすれたけどノー・ヒット・ノー・ランの訳語として使ってたんで、へーそうなんだと思ったものである。だから、球場にいる記者の人の人たちはとっくに(その前から)知ってたはずの言葉である。
でも、このノー・ヒッターが盛んに使われるようになったのは、野茂がMLBで一度目のノー・ヒット・ノー・ランを成し遂げたときに現地の実況が「ノー・ヒッター!」って叫んでから以降の話だと思う。その時この言葉を「する人」と誤解したのが定着してるんじゃないだろうか。
このerはどうも日米野球用語の壁みたいで、スライダーやシンカーは定着してるのに、カッター(cutter)やスプリッター(splitter)はあまり使われない。
※一度TVで達ちゃんが「スピリット・フィンガー・ファースト・ボール」と喋ってて、そのまま字幕が出た時は大笑いした。アストロ球団の球一だったら投げるかもしれんが!
逆に使用頻度の高いsetup manはセットアッパーと言い換えられることが多い。
google:setup man baseball
google:setupper baseball
そういえば、他の競技がスポーツの際に使う意味で使っているにもかかわらず、野球周辺だけが「タレント」や「パフォーマンス」をいつまでも「芸能人」「はでなアクション」の意味で使われ続けた。まあ、これは既に日本語としてそのように定着していたから仕方ないにしても、この人たち他の協議には全く興味がないんだろうか、と思った。ちょっとでも耳を傾けていれば、他のアスリートたちやスポーツジャーナリストが喋ったりしてるのに何か違和感持つはずなんだけど。
今、野茂の日米200勝やなんかで「日米の差は縮まった」なんか言われてるけど。本当にそうかなぁ。
※えーと、こんなことは僕が言い出したことではないもんねー。ずっと前「ダ・カーポ」がやたらと野球に突っ込みを入れてるころからいわれてるんだもん。
たしか、その中で「シュート」という球種は米国にはない、なんて書かれてた(『どぐされ球団』にもそのエピソードはある)。
多分にもそんなことが書かれていたと思うんだけど、どうも日本人投手の補強が重要課題となったGMなんかには「シュート」はシケ短(出る短)に載るくらいの言葉になってるようだ。
それに「ストラックアウト」に吉井が挑戦したとき、横でマイク・ピアザたちが「シュートォ」ってはやしてたからけっこう通用する言葉になってるのかもしれない。
※※ついでに言うと江川のこの本が出たとき「スカウト」という言葉の使い方に変化はあるのかなって、思ってたけど、流石になかったな。
NBAやNFLの放送では当たり前のように「両チームのスカウティング能力の差が出ましたね」なんて使われてるのに。
http://dictionary.goo.ne.jp/search.php?MT=scout&kind=ej&mode=0&base=1&row=1

*1:そもそもno hit gameとノー・ヒット・ノー・ランは違うんだけど