イニシャルIを外せ!

はー、『鉄人28号』である。横の写真で去年の嫌な2本の記憶が蘇えってくる人も多いと思う。
それにしても『C』がIセヤ、『D』Iザキと来て今度がIケマツである。この時点でもう何をいわんやであるが。
のっけからもうダメの連続、ずらりと並んだ製作者・脚本家・監督がそろってタコ揃い。彼らの脳味噌には「爽快感」とか「手に汗握る」というのがインプットされてないようだ。
たるーい「人間ドラマ」が作りたかったのなら、そういう題材を探せばいい。西田尚美をわざわざ教室にひっぱりひっぱりだしてきたり、薬師丸ひろ子が料理学校の教師で転勤があったり、骨折させたりって何がやりたいのかさっぱり意図が解らない…んじゃなく、解るけど共感できない。もういい加減言うのも聞くのも読むのも飽きたけど、なぜ『鉄人28号』なんだ?
ジイサンたち、なぜゲームを目の敵にするんだ。どう考えてもラジコンの飛行機より「格ゲー」の方がずっとリアルだと思うんだが、ノーライフキングおそらくこのジジイたちは子供が「ゲームをする」ことを非常に勘違いしている。「ゲームが好きな」野球少年、サッカー少年、勤勉少年、勇気のある少年なんていうものが想像できないようだろう。これって『いちご同盟*1が読書感想文の推薦図書になっていた頃から何も変っておらん。だもんだからあんなヘナヘナなバトルシーン作って「スーファミ以下」とか言われるんだ。
とにかく、こいつらの提示する「普通の少年」像がいびつ。ゲームやコミック*2は排除しておいて、母子家庭とかイジメなんていかにもな問題は持ち込むんだからさあ。
その勘違いな展開に、日本のスポーツ・エンターテインメント・ムービーの画期になれた『ウィニング・パス』を薄っぺらな「体育館映画」に貶めた千住明の音楽がナイスアシストを連発。どんどん「燃え!」を奪っていく。
出てくる役者もそんなヌルーくて定まらない脚本と演出のなかでおろおろしているだけ。この企画のアホさ加減に自覚的な蒼井優だけが「どーせ絵空事でしょうよ」とばかりに好演していて、彼女が出ているときだけ映画になっているってのは悲しくないか。まあ矢沢心は相変わらず全開だが。
とにもかくにも3番目のI、池松壮亮が最後まで悩んでばっかりで煮え切らないヤツってのが、Iの面目躍如。3代目襲名披露映画ってとこか。もう日本の実写関係者の「ガンダム」に対する誤解ってのは映画界のセンター試験の必須科目なのかと思ってしまうぐらいだ。
もともと『鉄人28号』は作品そのもの以上に、『AKIRA』や”しょたこん”など2次的なもので、より命脈を保ってきたものだ。リメイクのハードルは『D』よりはずっと低かったはずなのになぁ。河崎実とか原恵一に撮らせればこんな悲惨なことにならなかったのに。いっそ庵野秀明にメチャクチャにしてもらった方がすっきりする人も多かったかもしれないじゃん。
この映画のコピーは「最後に勇気をふりしぼったのは、いつですか?」である。
この映画を「秀作」とか「面白い」とか言うのはかなりの勇気が必要だと思う。だが、『月光仮面』『8マン』『新造人間キャシャーン』『デビルマン』で全然懲りてない日本のダメ映画人どもの獲物はまだまだ残ってる。それが『光速エスパー』なのか『マグマ大使』なのか『科学忍者隊ガッチャマン』なのか『宇宙の騎士テッカマン』…なのかは全く解らないが、「勇気をふりしぼ」らないと良いといえない映画の最後はまだまだ先のようだ。
ついでにこの投票のQ3のどれかにチェック入れるのにも当時からかなりの勇気を振り絞る必要があったはずだ。
:蛇足の蛇足 訓練の部分にアドバイザーとしてゲーマーで格闘家の桜庭和志とかを起用すりゃ良かったのに。角田さんでもいいけど。だって「直観なんたら」とかより動態視力と打撃を鍛えた方が実践的じゃん。

*1:コピー屋の息子の時代錯誤小説

*2:江戸川乱歩かなんか読んでいる

粗相があるなら若い女子アナ

昨日明石屋さんまの至言(?)を引いたが、うちの相方によれば「粗相があっても」が正しいらしい。まあ、1stクラスに載ってるお客様の多くは「粗相があっても若いスッチー」より「粗相のないベテランのFA」を望んでいることは確かだろう。しかし、ベテランが粗相をしたらさんちゃんでなくても怒るだろう。
ところが、昨日のKBC名画(笑)招待試写会の司会のベテラン男子アナは粗相しまくり。
3代目Iが福岡在住ということで舞台挨拶があったのだが、いきなり3代目Iの野球部での打順間違えるし、「薬師丸ひろ子のファンです」とかほざいて会場の失笑を買うし。その後の映画のトホホ予測を確信に変えることに大きく貢献。
で、お約束の花束贈呈のセレモニー。
ソフトバンクホークスの川崎選手と定岡卓摩選手のお父さんである定岡智秋さんから花束が届いております」
会場が"ムネリン登場か?”"今日試合だろう"とざわめく中、一人のおばちゃんが客席から花を持って舞台に近づいてくる。おばちゃん「舞台に上がるの?」とか言い出して、段取り出鱈目。上映作品へのオマージュなのかと思うぐらい寒ーい展開。会場が"そのおばちゃん誰なん”という疑問をもったまま花束贈呈。結局そのおばちゃんは定岡選手のお母さん(全国的にはヘナチョコ定の義理のお姉さん)ということだったのだが、思いっきり気まずいフインキを作ってしまいやんの。
KBCのアナウンサー室に適材がいなかったことは判るが、だったらせめて井川遥のパチモンか、局アナじゃなくてもいいから「アサデス」の矢佐間恵ちゃん、石松美由紀ちゃん、生野陽子ちゃんの方がずっと良かったじゃん。

ミズノと『MAJOR』が用具契約

小学館週間少年サンデー連載中の『MAJOR』がミズノと独占用具契約を結んだ。
ビジネスケースとしてはありなんだろうが、マンガの表現としてはその自由度を著しく下げることになるんだよなぁ。まじで無理があるぞ、バットが全部ミズノっての。
まあ、昔からスポーツマンガやアニメとメーカーとの関係は色々あった。
『エースをねらえ』がアニメ化されたとき、確かSSKがスポンサーだったので非常に変だった。テニスとSSKってあまりピンとこなかったもんね。
あと、若林のキャップは原作ではアディダスだったのに、アニメじゃ諸事情でへんてこなマークがついていた。
『SLAMDUNK』のゴリのシューズがモデルであるユーイングではなくアディダスだったのは、『ディア・ボーイズ』というか月刊マガジンが契約を結んでいたからだろう。

直方で試写会

大方の予想通り犯人は筑豊の人間であったが、筑豊が鬼畜の巣窟だという誤解を受けると良くないので、充分文化的な場所であることも伝えておこう。
なんと『ハイド・アンド・シーク/暗闇のかくれんぼ』の福岡での試写会は直方市(多分ここだけ)で行われるのだ。
http://www.rkb.ne.jp/preview/
普通福岡の試写会って福岡市か北九州市であるのでけっこう珍しい。よりによって『暗闇のかくれんぼ』というのもいい味だしてる。
しかも、ペア試写会じゃないし。

日本は資本主義の国のようだ

東京地裁、ライブドアの申立て認めニッポン放送の新株予約権発行を禁止
しかし、これが認められなかったら日本は資本主義の国とは到底認められなかったような気がする。
その時点で「違法でない」時間外取引をとやかく言ってもって感じがある。「問題がある」=「違法」てなよじれたロジックが通るようじゃ法治国家でもない。「フェアじゃない」とも行っておったが、フェアじゃないのはどっちだろう。市場価格より安いTOBに応じた企業とともに「利潤」以外の何を目的として、何を守ろうとしたんだろう。日本的云々というのは鹿内一族が納得しないって。
フジ・サンケイグループは越後屋とお代官様の関係を自分たちと裁判所に求めていたらしいが、どうも裁判所は違ったらしい。
まだホリエモンの妙手はあるのか?
終局はまだまだ先のようだ。