喪映画から遠くはなれて
この質問に答えた人だけ読んでください。というか答えてないヤツは読むな!
ま、心配しなくても興味ないから読まないか。
ちょっとしたまえがき
実は2,3日前にとある電話があって、たいしたことじゃないのにかなり動揺して約一名死ねばいいのにとか思って、次の瞬間そんなこと思っちゃいかんとか思いなおすと落ち込んで・・・
そん時ちょうど【はてなアンテナ】を巡回してて、あ、もうこの"食い散らかし日記"も止めようかなとか思って、何か質問して10人回答がなかったら止めようとか、回答くれた人だけのプライベートモードにしちゃおうかとかとか考えた。
あ、でもはてなユーザーの人以外の人どうすんの?とか1週間に一度観に来てくれてる人もいるからひとまず一週間はあの質問だけおいてほったらかしにしようかとか…そんなつまんない思いがぐちょぐちょしてたわけなんです。
あー、一人も答えてくれなかったらどうしよう…とか思ったし…
蓋を開けるととっとと10人答えて戴いた…ホント心より感謝してます。
あ、僕ってひとりじゃないんだと感じた。
まあ、実際「独り」なんだけど、でも「一人」じゃないんだ、と・・・
ネタバラシ
ってな作り話はおいといて(笑)
本当のこと言うと、一週間くらい前にBM福間店に『タクシードライバー コレクターズ・エディション [DVD]』が1400円でおいてあって買おうかな、どうしようかなとちょっぴり悩んでた。基本的に同じ本やDVDは買わないとか、同じ映画は見に行かない、だから食い散らかしなんだもん!、でも「特典」映像入ってるから「おんなじ」じゃないし・・・なんてしようもないこと考えてたら、「中古は一期一会」って言葉を目の当たりにして、お、そうかと思い一昨日買ってきてしまった。*1
でもって、前のジャケと見比べてたら思ったわけよ。
これって全く別もんじゃねーか、と。知らない人が見たら、絶対同じ映画のジャケットとは思えんよね、と。
ちなみに
と
なんだけど。
で、単純に見比べてどっちがカッコイイかというとはっきり言ってBだし、店頭でのインパクトも考えたら発売元はこっちにするわな。本国アメリカでもそうなんだし。
でも、ホントにそれでいいのか、とか思ったんですよ。
でもって、あ、これみなさんに訊いてみなくちゃいけないと思って質問したわけです。
回答してくれた人、試したみたいでごめんなさい。
回答を見て
globalhead 『Aかなあ。このうらぶれた感じが。』
# fabrice 『僕もAです。頭の先からつま先まで演技してる感じがでてるんで。
タンカースジャケットもいい味だしてます。』
# washburn1975 『わたしもジャケとしてはAですね。AからBになる過程が見どころなわけで、最初からBを見るのはいかがなものかと。』
# nikuzombie 『Bです。「映画が盗まれている...」のCMもこれでやればよかったんです。』
# hiromicecilia 『Bですな、この配置や色使い構図などのセンスが好き。』
# violent_jef 『Bです。眼光がどーしても気になります。』
# kukky 『マニアックなプレイができそうだからBの人かな。Aの人はイ○ポそうです。打ちつくしてるというか。』
# yomikaki 『Bです。口元がきになります。』
# yomokichi 『aaaaa』
# parfum30 『Aです。Bの人はヤクでもやってそうで怖いです。』
# dd00269968 『おはようございます。私はAです。はじめからドアップはちょっと・・・』
上の三人はそのまんまデルモンテ平山、ガース柳下、ウェイン町山みたいなもんでネタ解ってるから、当然Aと答えるに決まってるんでおいといて(失礼、でもそうじゃん)、その後Bが続く。当然だよね。僕だってこの二つを初めて見せられたらBを選ぶに決まってるもん。実際イメージ検索しても、圧倒的にBな画像が多いし。
で、感心したのがくっきー姐さんの"Aの人はイ○ポそうです"。まんまアイリスのエピソードがあって役立たないチンポを拳銃に持ち替えてBって流れに合致してるよ。さすが、北九のミシェル・ヨー。あ、高森先生だきゃ、もー。
あ、やっぱBじゃなきゃ売れないわ。
でも、ヒロミッチのいう"配置や色使い構図などのセンス"てのが問題難じゃないかと思った。というのも、これってこの映画がカッコイイ映画ってことになってしまった後のデザイナーの仕業で、最初のポスター等はAが使われてる("今日の画像"がそう)。そう考えると監督のマーティン・スコセッシや脚本のポール・シュレイダーの考えてた(というか作った)『TAXI DRIVER』はAなんよ。
名著『映画の見方がわかる本』にも
ポスターを初め『タクシー・ドライバー』を象徴するビジュアルとなった、ニュー・ヨークを孤独に歩くトラビス・ビックル(ロバート・デ・ニーロ)。
(P192)
とあって、文章はこう続く。
「心に耐え難い孤独」、言い換えると「喪」なわけで、この映画は本来「喪映画」なんよ。デ・ニーロはともかくスコセッシやシュレイダーは思いっきり喪だったわけで(その辺りの詳細は『映画の〜』を読んで下さい)、間違ってもOLや女子大生が「たくしぃどらいばぁ大好きなんですぅ」やら「で・にーろカッコヨス」*3」とか言ったりするもんではなくて、だから、絶対にこれがモテアイテムとかなっちゃいけないはずなんだよ。
でも、映画の中でトラビスがヒーローに祭り上げられたのと同様に、この映画もなんだか妙に「ヒーロー映画」として持ち上げられていて(ロックミュージシャンが中ジャケとかに使ったりするからね)、その根源がBタイプの画像ではないんじゃないかと。
※DVD収録のメイキング「誕生から喝采まで」でシュナイダーはこんなことを言っている。
「彼がヒーローと讃えられても、彼の本質は変わらず、心は闇のままだ」
そして、スコセッシはこの映画の大ヒットに対してこんな感想を漏らしている*4。
「人間のダークな面を描く時は一般受けするように作る必要はないと思っていた。でも多くの人に受けいれられたのは驚きだった」
孤独のメッセージ
ちなみに『映画〜』の『タクシー・ドライバー』の章には「孤独のメッセージ」ってなサブタイトルが付いていて、その章はこんな風に終わっている。
スコセッシが中国の大学で映画の講義をしたとき、一人の生徒が「僕は孤独で気が狂いそうです。どうしたらいいんでしょうか?」と相談したという。「君の孤独感を表現してみなさい」とアドバイスされた生徒は自分のことを映画にし、評価を得て、再びスコセッシに邂逅した。
「表現はしたけど、寂しさは消えません」
スコセッシは哀しげにこう答えたという。
「……実は、僕だって、そうなんだよ」
これはそのまんまポリスの「孤独のメッセージ」のクライマックスの歌詞に対応している。
Walked out this morning, don't believe what I saw
Hundred billion bottles washed up on the shore
Seems I'm not alone in being alone
Hundred billion castaways, looking for a home
I'll send an S.O.S. to the world
そんなわけで、やはり個人的にはあの映画のジャケットにはAが相応しいと思う。
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似てる
今、見直しててふと思ったこと。
ベッツィとデートしてるトラビスの顔って『さらば青春の光』のジミー(フィル・ダニエルズ)に似ている。
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