超が今よりもっと「超える」という意味を保ってたころのムック


20年くらい前にポツポツ耳にするようになった体言ではなく用言に連なる、漢字でなくカタカナが似合う「チョー」やひらがなの「ちょぉ」にはちっとも「超える」という意味が残ってなかったと思うんだけど、『100 映画の見方が変わる本』より背が白くなるいっこ前、つまりは最後の色付きの

超プロレス主義 (別冊宝島 99)

超プロレス主義 (別冊宝島 99)

の「超」はまだまだ「超える」という意味が色濃い「超」だ。


じゃあプロレスを「超える」ってなんだったのか?

このムックが出版されて25年たった今、船木誠勝WRESTLE-1を、鈴木みのる新日本プロレスを主戦場にしている事実にその答えはさらに混迷を深めているのかも?

聴いてから読むか、読んでから聴くか。

だいぶ前、ほんとうにだいぶ前に、とある人から「ローゼス好きなんですか?意外だなぁ」と言われたことがある。僕が戸惑っていると、相手は「ヘヴィメタル嫌いなんでしょ」と続けた。僕が嫌いなのはヘビメタでヘヴィメタルじゃない、ってのを説明するのは長くなりそうなのでひとまずやめた。同時にもういっこの大きな間違いに気づいたのだった…その後の会話がどうなったか全く覚えてないんだけど。


それにしても、どこで覚えたか知らないけどガンズ&ローゼスをローゼスって略すってのは変である。それこそストーン・ローゼスストーンズと呼ばないように。


てこって

Stone Roses: 20th Anniversary Remastered Edition

Stone Roses: 20th Anniversary Remastered Edition

である。
20代前半、僕はかなりのロック好きだった。その僕をもうこの辺でいいかなと思わせたのが、ストーン・ローゼスの来日公演だった。はっきり言えばどっか気が済んだッて感じのそれは「卒業」なんてかっこいいもんでなく「脱落」みたいなもんだった。
その後はちょこちょことライブ行ったりCD買ったりをしたりした。でも、自分のなかでロックが、というか音楽が大きく場所をとることもなかった。
でもなんだか先日徳ちゃんのCDラックを兼ねる洋服ケースのポールの部分が壊れたのをきっかけにCDを移動させることになりCDを整理することになり、そこであれこれやってる間に僕の中の音楽聴きたい度がちょこっとづつ上がってきたのだった。
そんでもって盤面がダメ担ってるもんを少しずつ買い直してたりもしてる中で、リマスター盤の存在を知って、ついでに上記の本のことも知った…いや順番逆だったかも。


で、当然聴きながら読んでみたんだけど、確かにこのアルバムのマジで重要なアルバムである。まえがきで触れられている通りピストルズの1stに匹敵するほどの影響力を残したと思う…その後のあれこれが「ロックンロールスウィンドル」なとこも似てるし。これほど後のアーティストへの影響力が絶大なのはあとはヴェルヴェッツのそれくらいもんだろう。


んで、コーネリアス小山田圭吾のハナシを読みながら、ふと思った。エドガー・ライト監督の『ショーン・オブ・ザ・デッド』の中でネタにされていた『セカンド・カミング』。あれがストーンズの『メインストリートのならず者』ほどはしっかり足が地に着いた作品にならなかったからではなく、プライマル・スクリーム『Give Out But Don't Give Up』みたく足が浮き浮きなものにならなかったからこそのどん詰まりだったんだろうなぁ、と。


あ、なんだか「クリエーション・スープ」が聴きたくなったぞ。よしよし。


Second Coming

Second Coming

Give Out But Don't Give Up

Give Out But Don't Give Up

Great Rock 'n' Roll Swindle (2012 Remaster)

Great Rock 'n' Roll Swindle (2012 Remaster)

Velvet Underground & Nico-45th Anniversary

Velvet Underground & Nico-45th Anniversary

ショーン・オブ・ザ・デッド [DVD]

ショーン・オブ・ザ・デッド [DVD]

果てしない…と思ってた渇きもかなり落ち着いて

ほんと久しぶりに「映画ジャケ」の文庫を買った。正確にいうと『悪人』だとか『僕は妹に恋をする』と同様の、カバーのカバーもしくはでっかい帯なんだけど。
まあ、もともと飽き易い性分なんでかなり興味が続いたほうだと思う。まだまだほしいなぁと思うジャケがないわけじゃない(例えば『時をかける少女』うずまきver.)けど、2、3年ほどに比べるとさほどでもない。大切ないくつか残して処分しよっかとたまーに思ったりもしてる。でも、古本屋に売るにしても(ただ基本世間的に価値がある本など殆ど無いんだけど)捨てるにしてもかなりメンドクサい状況ではある。
あれほど古本屋を回ったりネットを漁ったりしてた時の渇きは正直ない。


てこって


果てしなき渇き (宝島社文庫)

果てしなき渇き (宝島社文庫)

である。
正直ついでにいうと『告白』の中島哲也ではなく、『下妻物語』の中島哲也で『ヒステリック・サバイバー』を映画化してほしかったなぁとかなんとか。

6でもないの2 QJ (1*0*3) ≠ QJ103 もしくは指原莉乃という異物




そう、『クイック・ジャパン 103 指原莉乃、博多へ』と1号と0号と3号を並べる。当然初期QJとの違いは一目瞭然だ。でも、この指原という者、他のアイドルともちっとばかし違っている、のはみんな知っていると思うんだけど、この号のインタビューを読んだら、一般の芸能人ともちょっと違っているという風に思えてきた。
たぶん一番近いのは女子プロレスラーなんだと思う。
そもそもAKB自体の旧旧チームにどことなくA=全女、K=LLPW、B=JWPみたいな色分けがあったような気がしないわけでもないが、それはさておき、じゃあ指原は女子プロレスラーとしては誰に近いのかっていう問の答えは単純ではない。
彼女の最初のキャラである「へたれ」だけをみると「へな」こと広田さくら(現・旧姓広田さくら)が一番近い…なんとなく顔も似てるような気がするし。
しかしながら、今彼女が最も注目され讃えられているところであるプロデュース能力でいうと、おそらく北斗晶に違いない。最初から団体から推されていたわけでもないところも似てないこともない。そんでもって、昨年の総選挙1位は赤いベルトを巻かないままに、憧夢超女大戦でのV★TOP WOMAN日本選手権トーナメントにおいてアジャ・コングに勝利したことに似ている、といえなくもないだろう*1


なんてことを思いながら、奥の部屋から『Number 331 女子プロレスの現在』を引っ張り出してきたら、「神取忍という異物」という文字列が目に止まった。
たしかに指原は「異物」なんだろうが、柔道の一流選手から鳴り物入りでジャパン女子に入り伝説のシュートマッチを行い、その後のインタビューで「心を折る」という名言を残したミスター女子プロレスとはまったく似てない、と思った。



別に誰かにピタリとはまらなくてもいいんだけど、なんだかちょっと悔しい

北斗晶全記録 (ウル叢書)

北斗晶全記録 (ウル叢書)

*1:全女と違って48Gは失速してないけど

その6でもない JICC→太田出版→洋泉社

映画秘宝EX激動!アイドル10年史 (洋泉社MOOK)80年代アイドル カルチャー ガイド (洋泉社MOOK)
ちょっと前に洋泉社というか映画秘宝方面からアイドル関係のムックが続けて出た。
以前僕は、初期秘宝は80年代の、初期QJは70年代の「宝島」のテイストだとか息吹を継承している雑誌だということを書いた、と思う。JICC時代の宝島ってのはアイドルものも強かったわけでアイドル関係の本をガンガン出していた。


『セクシーアイドル解体新書』の巻末広告には

そのシリーズとしていろいろな本が載ってんだけど、このシリーズの極めつけはやはり


NIPPONアイドル探偵団―’88アイドル1000人データ・ブック (宝島コレクション)

アイドルを独自の視点と愛情でランキングした「アイドル探偵団」シリーズではないか、と。ちなみに'88年の順位は

1. 南野陽子
2. 工藤静香
3. 中山美穂
4. 浅香唯
5. 斉藤由貴
6. 小川範子
7. 後藤久美子
101. 矢沢真由美
201. 鳥居かほり
301. 池田裕子
401. 戸村裕子
501. 篠宮とも子
601. J・リン
701. 堤靖子
801. 小川さと美
901. 森下ゆかり
1001. 阿部夏子

となっていて、やはり1001位までランク付けされていることに意味があるんだと思う。面白いことにこのシリーズは「アイドル冬の時代」言われている時代に商業化(それまではミニコミ)を果たしているわけで、逆にこの当時アイドルを愛するものが日陰の身だったらからこその出版だったのではないだろうか。だから2000年代半ばアイドルファン=ドルヲタの存在がそれなりに認められるようになると発行が終わる…あまりにプロユースというか影響力を持ちすぎてしまったためかもしれないけど。
ところで、世間に「おたく」ということばが広がるきっかけの一つである『おたくの本 (別冊宝島 104)』でも「C級アイドルに人生を捧げた聖職者」という濃ゆい人の記事が載っているだけど、その他のハッカー、盗聴、デコチャリロリコンなどと同列に扱われているのである(まああくまで濃ゆい人だけど)。


その意味で今のQJPerfume、AKB48、ももいろクローバーZなどを特集するのを宝島の後継というのはちょっと違うんではないか、と思う。んじゃあ、QJ発のアイドル本で「らしい」のってどれよ?!といわれたらひとまずSKiの会場における"外道"と"愚連"の抗争を軸に当時の「会いにいけるアイドル」の現場で起こっている「トリコじかけの」あれこれ*1を描いた濃密なルポである

を押す。




それはそうと、公開間近の映画『渇き』の原作者の深町秋生先生が『AKB推し!』で「どれだけ毒を吐こうが、けっきょくのところ、人の良さというものがにじみ出ていて、微笑ましい」と推した宮崎美穂さん、第6回総選挙ランクイン返り咲きおめでとうございます。



映画秘宝EX激動!アイドル10年史 (洋泉社MOOK)
80年代アイドル カルチャー ガイド (洋泉社MOOK)

C調アイドル大語解―アイドル用語の基礎知識 (宝島コレクション)
ウワサを追いこせ!―未確認アイドル流言報告(チクリ) (宝島コレクション)
超B級アイドル解体新書 (宝島Collection)
セクシー・アイドル解体新書(ターヘルオナトミア)―極私的ティッシュアイドル20年史 (宝島コレクション)

*1:金井覚がオマージュを捧げている一冊に『因果鉄道の旅』を上げている

美女が好き!その伍 スポーツ美少女が好き・・・だった

雑誌Numberの「スポーツ美少女」特集


No.227 スポーツ美少女大探検! 点は荷物を与えたまう

No.287 スポーツ美少女大好き!

No.349 スポーツ美少女、夏の記憶

その後のタイトルの「スポーツ美少女」とは断らない「No.475 女神たちの躍動」、「No.527 強く、正しく、美しく」だの「ATHRA 2001年 NO6 WOMAN 〜女子アスリート大全〜」のころならともかく、2014年の今…何かどうよ、って気がして…。
だって別にどんな競技に可愛い子がいてもフツーだから、先日福岡のローカル番組で部活のマドンナにHKTのメンバーが会いに行くってコーナーがあってて、その時のメンバに森保がいたもんだからいわゆる「公開処刑」になるかと思いきや、逆に森保じゃなかったらあららってことに、みたいな。なんだか森保まどかや橋本環奈にわざわざ「アイドル美少女」っという本来なら「野球甲子園」と同じくらいへんてこなんだけど、実際はそれほど不思議ではないことばを使わなくちゃいけない*1わけで。
そんなこんなでこれら雑誌は大事にとっときます。

*1:まあ実際は80年代からそうっちゃそうなんやけど

美女が好き!そのヨン 空想美女が好き・・・なのかな


エアリスやユウナとか、エメラルダスや小夜子、GOGO夕張とかゲキカラが好き…ってのは今回置いといて、妙に気になる空想美女―それも石森ヒロインを二人。

吾妻ひでおの『好き!すき!!魔女先生』

シルバー仮面電人ザボーガーまでリメイクされる21世紀のニッポン。もしかしたらとひそかに願っているのがこの『魔女先生』と『プリンプリン物語*1なんだけど、今回フォーカスするのは吾妻ひでおテレビ・アニメ傑作選―1としてアニメージュコミックスで発売された

表紙をご覧になればお解りの通り単独の単行本化ではなく『星の子チョビン』&『ぐるぐるメダマン』という石森原作と石森インスパイア(『がんばれロボコン』)を併録している。なんでそうなってるかというとドラマ放映(1971年10月から72年3月)の途中からの5話だけがテレビマガジンに連載されたから、である。
んで、内容は月のプリンセスがお供とともに地球にやってきて、勤め先の学校で一騒動。途中からテレビ同様アンドロ仮面が登場して敵をやっつけるといったもの。早く言えば」吾妻ひでおお得意の超能力美少女ものなのだが、あまりに得意すぎて「ななこSOS」のななこや「やけくそ天使」の阿素湖素子などとの違いがはっきりいってよーわからんということに。さすがに掲載誌が「TVマガジン」なもんだからエロ方面のサービスは全くと言っていいほど不足しているけど。
てこってキャラクターデザイン吾妻ひでおで深夜アニメなりOVで復活してほしいもんである。

あらためて由美かおるの凄さを知る

『石ノ森ヒロインコレクション』は“仮面ライダー生誕35周年記念作品”『仮面ライダーカブト』とアニメ『009−1』放映を機に発行されたんだけど、またまた『映画『009ノ1』オフィシャルブック 』なんてのが映画の公開にあわせて出てたらしい(ひとまず定価で買う気はゼロ)。サブタイが[THE WOMEN FIGHTERS〜ミレーヌ・ホフマンと石ノ森章太郎が生んだ闘うヒロインたち」なので石森ヒロインについてもそれなりに載ってそうではある。
それにしても、である。映画のタイトル『009ノ1 THE END OF THE BEGINNING』の“BEGINNING”を見るだけで三池崇史の至言

ガッチャマン』という作品は、『ダークナイト』級の映画を撮る力のある者が手がけてこそ光るヒーローであって、今の日本の特撮に関する考え方や技術、総バジェットなどを考えると、我々では力不足なんじゃないかと
映画秘宝』2009年4月号インタビュー *2

を意に介さない愚かものの所業なんだろうけど、もしかしたら『サイボーグ009』の企画を持ち込まれの『009ノ1』だったら『ガッチャマン』→『ヤッターマン』とおんなじことになるんだけど、やっぱり前者なんだろう。
それに加えて、なんで主役がその人なんだろう?まあ『吉祥天女』の小夜子、『ハチミツとクローバー』はぐと同様、なんでわざわざというミスキャスト。フツーに考えること(『ヤッターマン』の深田恭子や『キューティーハニー』の佐藤江梨子など)が苦手の人に予算が握られておるのが三池監督の名言にさらに箔をつけておるような気がする。


ところでこのミレーヌ・ホフマンという(名)フランス系+(姓)ドイツ系もしくはユダヤ系というネーミングに関して石森先生はどんくらい意識的なんだろう。009の場合のテキトーさとは違ってなんか意味があるんだろうか…もしかして『ミレーヌ〜』に載ってるの?買えば解るの?


空想美少女読本―モニター画面で出会った、禁断の初恋女性100人 (別冊宝島 (349))
空想美少女大百科―電脳萌え萌え美少女大集合! (別冊宝島 (421))
スーパーヒロイン画報―国産スーパーヒロイン30年のあゆみ (B Media Books Special)
石ノ森ヒロインレクシコン1966‐2006―石ノ森ヒロイン四十年の歩み
戦闘美少女の精神分析
紅一点論―アニメ・特撮・伝記のヒロイン像 (ちくま文庫)
ヤッターマン “てんこ盛りブルーレイ” [Blu-ray]

*1:深田恭子弾きを逸してしまったよなァ。

*2:参考 http://goo.gl/F0NI8c